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技術アーキテクチャ

規範層、知識層、作業層、ゲート層、監査層の五層で構成されます。規範が作業を決め、作業が記録を生み、記録が規範を修正します。

五層と、その失効がもたらすもの

答える問い失効したとき何が起きるか
規範層正しいやり方は何か? なぜそうなのか?やり方が個人に残り、人が去れば能力も去る
知識層この作業をするには、どの規範を読むべきか?印象で実行し、新規や改訂された標準を読み落とす
作業層この作業は誰が実行するのか? どのツールで?一つの役割が何でも行い、権限とデータの露出面が過大になる
ゲート層どこで止めればまだ間に合うのか?事後に判明し、そのときには事が済んでいる
監査層当初なぜそうしたのか? どんな誤りがあったのか?同じ誤りが繰り返し起き、誰も気づかない

規範層|組織自身の標準

アーキテクチャ標準、機器標準、命名規則、導入手順、変更フロー、データ等級区分ポリシーを担います。すべての規範はバージョン管理し、適用範囲、前提条件、権威の出どころを明記します。同じ事実は一度だけ書き、他の場所では引用のみで複写しません。規範層は同時に理由と否決された案も記録し、後の読み手が同じ推論を繰り返さずに済むようにします。

知識層|作業種別で編成されたガイド

一つの問いに答えます。「この作業をするには、どの規範を読むべきか?」。文書構造ではなく作業種別で編成され、作業種別ごとに一つのガイドが対応します。ガイドには開始時の必読リスト、条件つき必読の対応表、成果物の仕様、仕上げの点検、そしてその種の作業でよくある見落としと過去の教訓が含まれます。

作業開始時はまずガイド自体を更新し、次にガイドが求める規範を更新します。索引を先に更新しなければ、何を更新すべきか分かりません。

ゲート層|リスクが止める位置を決める

三か所で止めます。作業開始前(前提条件が揃っているかの確認)、不可逆な動作の実行前(変更計画を独立審査へ)、引き渡し前(成果物の検査と独立検収)。

ゲートの位置は「誤りがいつ取り返しのつかないものになるか」で決まります。文書や実装の誤りはリポジトリに入る前ならまだ止められますが、導入とデプロイの誤りは済んでしまえば止められません。ゆえに事前ゲートが必要なのは後者だけです。

監査層|追跡可能な記録

作業ごとの完全な記録を保存します。どの版の規範に基づいたか、何をしたか、結果はどうだったか、何回失敗したか、各失敗の完全な実行記録。記録は機械が判定できる条件で振り分けられ、条件をすべて満たすものは完了、そうでなければ未処理の作業票になります。

完了の判定は実行役の裁量に委ねません。完了は下流の検査が存在しない唯一の経路だからです。